医療法人豊仁会三井病院
埼玉県川越市連雀町19-3
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大腿骨頸部骨折センター

大腿骨頚部骨折センターのご紹介

大腿骨頸部骨折センターは、転倒による股関節骨折からの早期回復をはかるため設立した専門のセンターです。

現在、日本は超高齢化社会にあるといわれています。
医療技術の進化や予防医療の発展により、平均寿命は大きく延びていますが、それに伴い高齢者の転倒による骨折などの外傷も急増しています。
若いころであれば「転んだくらいで大したことはない」と思われがちで、実際に軽いけがで済むことが多いでしょう。
しかし高齢者にとっては、些細な転倒がきっかけとなり受傷するケースが増えており入院を余儀なくされることも少なくありません。
結果的にそれが心身の老化を進ませることにもなります。
また、特に下肢の骨折は長時間の安静を必要とするため、心肺機能や筋力の衰えをまねき廃用症候群を引き起こすなど生命予後に深く関わる重大な問題となってしまいます。

当センターでは、この大腿骨頚部骨折症例の増加傾向にともない、手術症例に対し術式やリハビリテーション・看護体制の標準化を行っております。
早期治療が回復の鍵となることから、原則として48時間以内に適切な手術を実施する体制も整えております。
さらに、常勤の外科医師が多数在籍してますので全身状態の把握と管理をチームで行っています。
センター全体で患者さま一人ひとりに合わせた丁寧な医療を提供し、十分なリハビリを行いながら回復をサポートしています。

※廃用症候群
過度に安静にしたり活動性が低下すると、筋肉がやせ衰えたり関節の動きが悪くなってしまいます。それにより、身体や精神状態が衰え、様々なところへ悪影響がでることをしめします。

「大腿骨頚部骨折」とは

大腿骨頸部骨折とは、股関節骨折のことを指します。
外傷など大腿骨頚部で起こる骨折であり、股関節を包む膜(関節包)の中で生じます。骨頭部分に血流の障害が生じていることも多いです。
また外傷だけではなく、変形性股関節症(生まれつきのものを含む)からなることもあり、非常に強い痛みを伴います。

「高齢者が転んで立てなくなった」「立てるが、歩くと股関節が痛い」「股関節を動かさず、動かそうとすると痛がる」
こんな時には大腿骨頸部骨折ではないか?と疑ってください。直ぐに救急車、または病院に連絡を入れましょう。早期発見がとても大切です。

また、転倒による骨折については、その転倒方向により受傷部位をほぼ推定することができます。

前方への転倒では手首(橈骨遠位端)、肩(上腕骨頚部)の骨折、後方では脊椎圧迫骨折、そして側方では股関節(大腿骨頚部)骨折が考えられます。
転び方により「もしかしたら橙骨頚部骨折かもしれない」と疑うことも必要かもしれません。

これらの中で脊椎圧迫骨折と大腿骨頚部骨折は、長期安静が必要となります。

大腿骨頚部骨折はこのように手間のかかる骨折ですが、治療法は確立されておりその予後は良好です。
股関節包内で起こった骨折の場合、骨頭への血液の流れが悪くなるため、「偽関節(ぎかんせつ/骨を接合しても骨がつかない状態)」や「大腿骨頭壊死(だいこっとうえし/骨頭の細胞が死んでしまう状態)」を引き起こす可能性があります。

歩行が困難になるなど生活上に支障をきたす可能性があるので、一般的には人工骨頭に入れ換えることが多いです。また、骨折の型や年齢や全身状態を考え、骨接合術を選択する場合もあります。

治療、手術、リハビリテーション

骨折後治療が遅れると合併症が生じ、全身状態が悪化してしまいます。
なので、なるべく早期に治療することが大切です。
治療は骨折の部位や状況により、また手術が原因で命にかかわる可能性がある場合などには、保存療法(日常生活指導・薬物療法・理学療法・装具療法)も選択肢としてはあります。

しかし基本的には、脚長不等につながる変形治癒の可能性が高い場合や骨折の状態にもよりますが、不全骨折を含めて観血的治療(手術)が推奨されています。
手術は骨同士を金具で固定する骨接合術や、大腿骨頭を取り替えてしまう人工骨頭や人工関節手術などがあり、医師の診断によって決定します。

当院では、手術後は早期にリハビリを開始します。
早期のリハビリは、寝たきりにともなう認知症の進行、関節の固さ、筋力低下、免疫機能低下、その他多くの合併症を防ぐ目的もあります。
また、受傷から寝ている時間が長くなると、全身の筋力、心肺機能が低下し全身の廃用症候群を引き起こしてしまいます。
そういった理由からも、骨折後の歩行能力は一般的には受傷前より落ちてしまうこともあり、歩行訓練は早くから始めるのが良いのです。
理学療法室(理学療法士・作業療法士が在籍)では、骨折部位だけでなくこのように全身状態に関しても考慮し、医師の診断のもと、傷後早期より筋力強化・早期離床を促し早期退院を目指します。

患者様一人ひとりの受傷以前の生活を尊重し、それに応じた治療目標を設定します。専門スタッフがチームで連携し、丁寧な医療と十分なリハビリを通じて、以前と同じような生活が送れるよう回復をサポートします。

外来担当医

 
午前田中 伸弥
田中 伸弥(~10:00)
高田 秋人
佐野 陽亮
田中 伸弥(第2~5週)
石神 等(第1週)
高田 秋人(~10:00)
松木 健一
担当医
午後高田 秋人
田中 伸弥
張 英士(第1,3,5週)
小田 修平(第2,4週)
高田 秋人
石神 等(第1週)
高田 秋人(第1,3,5週)
田中 伸弥(第2,4週)
松木 健一
担当医

医師紹介

中西 一義
なかにし かずよし
日本大学医学部整形外科 主任教授
専門分野
脊椎、脊椎手術
主な資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・指導医・評議員
東日本整形災害外科学会常任理事
日本最小侵襲脊椎治療学会評議員
 
(整形外科部長)田中 伸弥
たなか しんや
専門分野
人工関節、手の外科、外傷
主な資格
日本整形外科学会専門医
日本手外科学会専門医
(整形外科科長)高田 秋人
たかた あきひと
専門分野
肩関節疾患、外傷、骨折手術
主な資格
日本整形外科学会専門医
松木 健一
まつき けんいち
専門分野
骨粗鬆症を中心とした脊椎疾患
主な資格
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
石神 等
いしがみ ひとし
専門分野
関節リウマチ、股関節・膝関節、人工関節置換術、骨粗鬆症、小児整形外科
主な資格
日本整形外科学会認定整形外科専門医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:肢体不自由)
澤田 浩克
さわだ ひろかつ
専門分野
脊椎、脊椎手術
主な資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
脊椎脊髄外科専門医
脊髄モニタリング認定医
鈴木 拓
すずき たく
専門分野
上肢の外傷、手指、肘の痛み、しびれ、変形
主な資格
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本手外科学会専門医、指導医、代議員
日本肘関節学会、評議員
日本リウマチ学会専門医、評議員
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本体育協会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
American Society for Surgery of the Hand (アメリカ手外科学会) Member
田中 伸明
たなか のぶあき
専門分野
関節リウマチ、股関節・膝関節、人工関節置換術、骨粗鬆症
主な資格
日本整形外科学会認定整形外科専門医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:肢体不自由)
 
(診療部長)朴 英智
ぱく よんち
専門分野
消化器外科、小児外科、総合外科
主な資格
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、消化器がん外科治療認定医
小腸機能障害認定指定医、直腸・膀胱機能障害認定指定医
日本静脈経腸栄養学会学術評議員
マンモグラフィ読影医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)
備考
腹腔鏡手術実績:約100件/年
総合実績:1,500件以上
(救急部長・消化器外科科長)八木 健之
やぎ たけし
専門分野
総合外科
主な学会・資格
日本外科学会認定外科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医師
難病指定医
身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)
(消化器内科部長)宮本 俊八
みやもと しゅんぱち
専門分野
消化器内科、消化器内視鏡
主な学会・資格
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡指導医
(消化器外科科長)宮澤 美季
みやざわ みき
専門分野
消化器外科・総合外科
主な学会・資格
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本緩和医療学会緩和医療認定医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)
緩和ケア研修修了
TNT研修修了
がんのリハビリテーション研修修了
(消化器外科科長)得丸 重夫
とくまる しげお
専門分野
消化器外科・上部消化器
主な学会・資格
日本消化器内視鏡学会
日本臨床外科学会
日本内視鏡外科学会
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構・がん治療認定医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)
(消化器外科科長)牟田 優
むた ゆう
専門分野
消化管・一般外科
主な学会・資格
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
大腸肛門病専門医
難病指定医
身体障害者判定医(科目:膀胱又は直腸機能障害)